2013年2月3日日曜日

標準偏差の伝播(誤差伝播)

量X1, X2, X3, …, Xnを測定し関数関係
で表されるZの標準偏差σは、Xjの標準偏差σjを用いて


で与えられる。
もし、密度ρが測定値D、Wの関数で以下のように表すことができるなら

 この密度の標準偏差σは

なので、 

で表すことができる。

2011年1月13日木曜日

振り子の等時性

【振り子の等時性】

振り子の振れ角θが小さいとき、角振動数は振り子の長さlによって決まる。振り子の周期をTとすれば、
となり、長さlの平方根に比例して周期が増加する。重力加速度gは9.8 m/s^2 である。円周率πの二乗はおおよそ9.86であるので、gの1/2乗はπと考えてよい。したがって、
 を得る。l=1mとすると、振り子の周期Tは2秒と概算できる。
振り子の周期は長さlによって決まり、振れ角θが小さければθによらない事を振り子の等時性と言う。振り子の等時性はガリレオによって発見された。






2010年12月31日金曜日

振り子と調和振動子

【振り子】

図の様な振り子の運動を考える。質点の質量はmで長さlの糸に吊るされている。糸の長さlは常に変化しなく、折れ曲がったりしないものとする。質点の運動エネルギーT
で表す事ができる。ここで極座標に変換するため変数x, y
 とすれば運動エネルギーは
と計算される。ポテンシャルエネルギーU、つまり、位置エネルギーは
と表す事ができる。ラグラジアンL

を使って、ラグランジュ方程式
より、振り子の運動方程式、
を得る事ができる。ここで、振れ角θが十分小さいと仮定すると、
 と近似できるので、振り子の運動方程式は簡単な微分方程式、
と書く事ができる。ここで、
である。ω0を角振動数と呼ぶ。


【調和振動子】
 
x軸上でバネにくくり付けられた質点の運動を考える。フックの法則より、質点は力Fを受ける。
次に、上と同様にラグランジュ方程式に代入すると、微分方程式
 と表す事ができる。また、これを変形して振り子の場合と同様な微分方程式
 と書く事ができる。

これらの様に表すことのできる運動を単振動または調和振動と呼ぶ。
振り子の場合は振れ角が小さいと仮定していることに注意が必要である。



2010年12月23日木曜日

ラグランジュ方程式

ラグランジュ方程式

【ラグランジュ方程式】
直行座標系から極座標系などに変換する際、ニュートンの運動方程式では座標変換によって大きく形を変えてしまい扱いにくいが、ラグランジュ方程式ならばそのような心配はない。常に同じ形の方程式をどのような座標系においても使えるのである。

簡単のため、1次元の場合で考える。質点の運動エネルギーTは、
である。また、この質点に働く力Fは、この系の位置に依存するポテンシャルエネルギーをUとすると、
と表す事ができる。ここで、運動エネルギーTとポテンシャルエネルギーUとの差として定義されるラグランジアンLを定義する。(運動エネルギーTとポテンシャルエネルギーUとの和はハミルトニアンであるので注意が必要である。)
ラグランジアンは速度と位置の関数であるので、
という関係があることは自明である。ニュートンの運動方程式、
より、
という関係を導く事ができる。この方程式のことをラグランジュ方程式と呼ぶ。